藍染のニット

藍染ニットの誕生からホールガーメントとの出会い、3Dへの進化について

藍染のニット

藍染の糸をニットにする

藍染の糸 はどこにも売っていませんでした。

1990年代、世界中の高級輸入毛糸を扱っていました。キラキラとしたきれいな糸が多く、作っていた製品も洋風のニットでした。

そのようなときに、日本で200年以上伝統的に続いている久留米絣の織元で、藍染絣の反物を作るときにできる副産物の「くくり糸」が捨てられているのを知り、何とかこれをニットにできないかと考えたのが始まりです。

綿糸と毛糸は柔らかさや番手、撚り、太さなどが全く違うため最初はうまくいかず、何度も試行錯誤を繰り返し、苦労の末、出来上がったのが「藍染ニット」です。

出来上がった製品に魅了され、それまで扱っていた輸入糸での製品作りをやめ、「藍染ニット」に特化し、その素晴らしさを広めていこうと決めました。

現在では、紡績会社でオリジナル糸を作り、糸に様々な藍染を施してニットを編成しています。藍染ニットは原糸に染色を施し、ニットに編成するという先染めニットにこだわっています。

藍染自体も、本場徳島からすくもを仕入れ、藍建てし、染色しています。
また、絣糸は久留米絣の織元に糸を染色して頂いてます。

無縫製のニット

ホールガーメントという技術との出会い

ニットは、袖や見頃のパーツを製図し、編み落として、綴じ合わせるという工程で作っていました。現在でも多くのニット製品がこのやり方でつくられており、オーソドックスなニットの製造工程です。

2004年に、「全く縫い目 のないニットがあるらしい...」と聞き、半信半疑の思いで国際見本市に行きました。そこにあったのが、ホールガーメントという従来のニットとは全く違う編成方法で作られたニットでした。衝撃を受けました。

ホールガーメントという特殊な機械は、和歌山のニット横編機メーカー島精機製作所で開発されました。コンピューターで立体的にデザインし、専用の編機で無縫製のニットを作ります。国内外のデザイナーが賞賛する編機でした。国産の技術であるというのも導入を後押ししました。

2005年にホールガーメントを導入しましたが、技術を習得するのは簡単ではなく、扱っている糸も藍染の綿糸と特殊であったため、他で扱っているところもなく、試行錯誤に数年を費やしました。

導入から約20年、ホールガーメントを専門的に取り組み続けていたため、現在では様々なニット製品を編成することができます。セーターはもちろんですが、ストールや手袋、帽子など様々なニット製品を自社で製造しています。

藍染ニット3D

藍染ニットは3Dの世界へ

「藍染ニット」は、ホールガーメントを取り入れることで、平面的な2次元の製品から、立体的な3D(three dimensions)のニットへと進化しました。

立体的に編成する利点は単に縫い目がないだけではありません。
ニット本来の柔らかさ、優しさを綴じ合わせることで損なうことがなく、その人の体に自然と寄り添ってくれます。

デザイン上の利点もあります。
藍染を施した糸をパーツに切ることなく編むことができるので、染色の柄が途中で切れることがありません。先染めニットでしか出すことのできない独特の染色柄がニットの中に浮かび上がります。

着る人にとって最適なものは何か?
その事を考え続け、たどり着いたひとつの結果です。

藍染ニット3Dは、古来から受け継がれた日本の文化「藍染」と世界初のニットテクノロジー「ホールガーメント」を融合させたニットウェアの新しいカタチです。

オンラインショップ